第1章 社団法人滋賀県配合飼料価格安定基金協会の歩み  

                 1  沿  革


(1)社団法人全日本配合飼料価格・畜産安定基金の基金設立までの経過

(社団法人全日本配合飼料価格・畜産安定基金の30年の歩みから)

昭和43年2月及び3月に社団法人全国配合飼料供給安定基金(以下「全農基金」という・)及び社団法人全国乳牛配合飼料価格安定基金(以下「乳配基金」という。)がそれぞれ設立されたとき、協同組合日本飼料工場会においても、基金を設立すべく検討、折衝が重ねられたが、諸般の事情から基金の設立をみるに至らなかった。

 その後、原料の8割以上を輸入に依存するわが国の配合飼料の供給価格が、海外の配合飼料原料事情に影響され、大幅な変動を繰り返し、畜産経営の健全な発展からも配合飼料の供給価格の安定化が強く叫ばれるようになってきたことから、日本飼料工場会においても、配合飼料価格の変動による影響を緩和する方策としての基金制度の必要性が強調されてきた。


 このため、昭和47年9月、日本飼料工場会に別記1に掲げる委員からなる配合飼料価格安定対策委員会が設置され、農林省の指導の下に、税制、社団法人、業務運営等の諸問題について検討され、昭和47年度末には、基金の定款及び業務方法書の骨子が固められた。

 
 ところが、昭和47年において、世界におけるとうもろこし及びこうりゃんの生産は、米国において史上2位目の豊作といわれたが、米国以外のとうもろこしの主要輸出国であるアルゼンチン、タイ等は異常気候により大減産となり、ソ連、中国においても不作が伝えられ、全世界の飼料穀物の需要が専ら米国に集中する事態が発生した。


 かかる情勢から、世界の穀物需給は、従来の供給過剰の傾向が一変し、極度に逼迫の度を加え、穀物の国際価格は、昭和48年1月以降大幅な値上げとなる状況に立ち至った。


 農林省としては、飼料穀物の国際価格の上昇により、国内の配合飼料供給価格の引上げが畜産経営者に及ぼす影響を憂慮し、昭和48年2月に次に掲げる飼料緊急対策を発表し、飼料価格の値上げをできる限り抑制するとともに、畜産経営に及ぼす影響の激変を緩和するための措置が講じられることとなった。

○ 飼料緊急対策:
(1) 政府操作飼料及び過剰米の飼料用売却の促進
(2) 畜産経営特別資金緊急融資措置
(3) 配合飼料価格安定基金の強化
(4) 条件緩和等の金融対策

以上に述べた飼料穀物及び配合飼料価格の高騰についてみると、配合飼料の主原料であるとうもろこしの輸入価格(通関価格)は、昭和47年度の価格に比べ、昭和48年度は1.5倍強、昭和49年度は2.3倍強、昭和50年度は2.1倍に上昇し、配合飼料の供給価格(工場建値)は同じく昭和48年度は1.4倍強、昭和49年度は1.9倍強、昭和50年度は1.8倍強、昭和51年度は1.9倍弱に引き上げられ、一時は「畜産危機」とまでいわれるようになった。

 農林省においては、既存の全農基金及び乳配基金が行政施策の対象となり得るが、国内の配合飼料生産の6割を占める配合飼料製造業者を組合員とする日本飼料工場会に基金がないことから、行政対象の公平を期するため、日本飼料工場会にも基金を設立させ、これを軸として他の基金と同様の施策を講じる必要があるという見地から、基金の設立を急がせることとなった。


 これを受けて、日本飼料工場会においては、社団法人日本配合飼料価格安定基金(以下「基金」という。)の設立のため、昭和
48年2月22日及び3日2日基金設立準備会を開催し、別記2に掲げる基金設立発起人を選任、3月5日基金創立総会を開催し、理事14名及び監事2名を選任、東京都を経由して、3月7日基金設立許可申請書を農林大臣に提出し、3月12日基金設立の許可を受けた。次いで、同年3月24日に東京法務局港出張所に登記の申請を行い、3月30日に登記を完了した。

 また、3月
12日に農林省畜産局長あてに業務方法書の承認を申請し、3月13日に承認を受け、同日から基金業務を開始した。

 さらに、補てん積立金の免税措置を受けるため、同年3月
16日に国税庁長官あてに配合飼料価格差補てん業務の認定承認に関する申請書を提出し、4月10日に認定承認を受けた。

(2) 滋賀県配合飼料価格安定基金協会の設立

1)滋賀県配合飼料価格安定基金協会の設立
 滋賀県における配合飼料価格安定基金協会の設立は、近畿のトップをきって設立され、その経過は次のとおりである。

 
昭和50年3月15日 基金協会設立準備委員会ならびに設立発起人           会を開催した。
 昭和50年3月26日 基金協会創立総会を開催した。
 昭和50年4月10日 滋賀県知事に基金協会設立認可申請書を提出           した。
 昭和50年4月12日 同上の許可を受けた(滋賀県指令第339号)
 昭和50年4月15日 基金協会の設立登記を完了した

2)基金協会の概要(設立時)
  名 称  社団法人滋賀県配合飼料価格安定基金協会
  事務所  滋賀県大津市京町四丁目5−13(澤甚第1ビル)
  出資金  41万円
  会員数  18
  役 員  理事9名(うち理事長1名、常務理事1名)監事2名
  組 織  荷受組合 18
  職 員  1名


3)一般社団法人滋賀県配合飼料価格安定基金協会の設立

平成24年5月25日 第37回通常総会において、一般社団法人滋賀県         配合飼料価格安定基金協会定款が承認される。

平成25年3月22日 知事認定書が届く。

平成25年3月26日 法務局へ平成25年4月1日移行登記日として提出         する。

平成25年4月11日 法務局から登記完了の連絡を受ける。

平成25年4月15日 移行登記完了届出書を滋賀県知事へ提出する。

4)基金協会特記事項


1 昭和51年3月31日社団法人全日本配合飼料価格安定基金の出資会員となる。

2 昭和57年度より基金からの補助金が500万円で打ち切りとなり、基金協会の運営困難となる。


3 基金協会の運営を改善するため、事務所を次に移転した。  
 昭和58年4月

   滋賀県大津市京町三丁目5-16 滋賀県庁西別館

4 
昭和58年度より、畜産環境整備リース事業を始める

5 
事務所を次に移転した。
  
昭和63年4月5日
     滋賀県大津市松本一丁目2番地20号 滋賀県農業教育情報センター

6 昭和63年度より県から人件費補助が交付された

7 平成元年より自由化関連対策事業である全国肉用牛肥育経営安定緊急対策事業を実施した。

8 平成2年5月に牛肉自由化関連対策事業として、肉用子牛生産者補給金制度が創設され、社団法人滋賀県肉用子牛価格安定基金協会が設立され、当協会加入畜産経営生産性向上支援リース事業経営者の経営の安定を図るため、同基金協に加入して出資会員となった。

9 事務所を次に移転した
  
平成10年4月
    滋賀県近江八幡市鷹飼町751番地の3

10 平成12年5月、第25回通常総会で「公益法人の設立許可及び指導監督基準」等に基づき、役員の任期を3年から2年に変更、剰余金等の処分の規定を削除、暫定予算に関する規定の変更を行った。

11 平成13年4月1日
 住所表示の変更により、滋賀県近江八幡市鷹飼町北四丁目12番地2となった。

12 平成13年度にBSE対応肉用肥育経営特別対策事業ならびにBSEスクリーニング検査受検促進緊急対策事業と検査円滑化対策事業が始まる。  

13 平成13年度より海外悪性伝染病防疫互助事業を始める。

14 平成14年度にPCA公益法人会計を導入する。

15 平成18年度に効率化を図るため、配合飼料価格差補てん事業の電算化システムが導入された。

16 これを受けて、平成19年度に荷受組合と特約店の事務の円滑な処理態勢を整えるため、基金協会独自の電算化推進円滑化事業を実施した。

17 平成19年度より、肉用子牛生産者補給金制度事業と子牛生産拡大奨励事業を始める。

18 平成20月 出資金を入会金と改め基本財産を削除ならびに役員報酬、役員退職慰労金規程を定めた。

19 平成20年度より、畜産経営生産性向上支援リース事業、肥育牛生産者収益性低下緊急対策事業、肥育牛経営等緊急支援特別対策事業を始める。

20 平成20年12月公益社団法人申請のための「公益社団法人滋賀県配合飼料価格安定基金協会定款」の承認を得た。

21 平成21年3月一般社団法人全日本畜産振興事業中央会が設立される。

22 平成21年度より、畜産自給力強化緊急支援事業を始める。

23 平成22年4月27日関西全日本畜産自給力強化緊急支援事業経営者協会が設立される。

24 平成22年度より、肉用牛繁殖経営補完事業を始める。 

25 
平成24年5月25日第37回通常総会において、一般社団法人滋賀県配合飼料価格安定基金協会定款が承認され、知事申請である一般社団法人申請書の移行認可定申請書についても承認される。

26 
平成25年3月22日に知事認定書が届く。3月26日に法務局へ平成25年4月1日移行登記日として提出する。

27 
平成25年4月11日法務局から登記完了の連絡を受け、平成25年4月15日移行登記完了届出書を滋賀県知事へ提出する。

28 
平成25年5月23日第38回定時総会において公益目的財産額の承認を得る。6月5日公益目的財産額の確定必要書類を滋賀県知事に提出する。6月11日滋賀県知事より公益目的財産額の確定通知を受ける。

29 
平成26年5月22日第39回定時総会において、平成25年度の公益目的支出計画実施報告書の承認を得る。5月28日公益目的支出計画実施報告書等を知事へ提出する。平成27年1月23日公益目的支出計画実施報告書の承認が滋賀県知事よりされる。

30 平成27年5月20日第40回定時総会において、平成26年度の公益目的支出計画実施報告書の承認を得る。5月28日公益目的支出計画実施報告書等を知事へ提出する。平成27年6月5日公益目的支出計画実施報告書の承認が滋賀県知事よりされる。
                  基金協会歩みのページに戻る。